先日、ハリルホジッチがJ1野倉部数が多いと発言したことを取り上げる記事がありましたが、正直、J1のクラブ数を少々減らしても何の効果もないどころかおそらくJリーグ全体としては衰退する可能性の方が高いというのが私の感想です。
欧州の強豪リーグと比較してJリーグがどう特異なのかを考えると分かるのですが、なんといってもJリーグにはメガクラブが存在しないということが上げられます。
確かに鹿島を筆頭に、毎年優勝争いに絡んでくるクラブというのは存在しますが、欧州リーグのように年間予算が再開のクラブの数十倍やそれ以上というほどの差があるクラブが存在しないのです。
なので、例えJ1のクラブ数が減っても、有力チームがその減ったチームから代表クラスの年俸の高い選手を引き抜くとは思えません。
最近のJ1リーグの優勝チームを見てみましょう。
今年と2年及び3年前の優勝チームであるサンフレッチェ広島は典型的な育成型のクラブで、毎年のように主力選手を引き抜かれるチームです。欧州では普通はこういうチームは最後まで優勝争いに残ることはまずありません。
また昨年のガンバ大阪や4年前の柏レイソルはJ2から昇格したばかりのチームです。
このとおり、最近の5年続けて優勝チームが欧州によくあるビッグクラブとは違うチームが優勝しているのです。
なぜこういう事が起こるのかといえば当然、ビッグクラブが誕生するほどにはJのチームが儲からないからとしか言えません。
昨年のデータになりますが、Jで最も年間人件費が多いのが20億あまりの浦和レッズで、次がほぼ同額で名古屋グランパスですが、これは最も少ない松本山雅(厳密にはJ2時代の人件費ですが)の5倍にもなりません。
これはJリーグのどんな人気クラブであっても予算の上限が見えていて、20億前後が上限ということなのでしょう。
つまりクラブチームの人件費に割ける予算が大幅に増えない限り、Jではメガクラブが誕生しないということなのです。
もし、J1のクラブ数を減らしたとしても、人件費の上限が決まっていれば、減ったクラブの人材は中堅以下のクラブが吸収することになり、トップクラブの強化には繋がりません。
逆に番狂わせが起きやすくなり、リーグとしては盛り上がるかも知れませんが、クラブ経営的には博打の要素が増えて負担に繋がります。
そういう意味で見ると、実はCSというのは、リーグで結果を残したクラブが観客動員を見込める試合を増やし収入を増やすための格好の手段であり、ひいては翌年も確実に収入を増やすために狙いたい試合ということに繋がるモノだということです。
確かに日程的な負担があることは事実ですが、クラブの経営が良くなることは選手にとって悪いこととは一概に言えません。
毎年のようにCSが盛り上がるようになればクラブの予算が増えて、結果として人件費も増え、徐々に目がクラブに近い人件費に費用を割けるクラブが誕生するかも知れません。
正直、バカの一つ覚えのように協会を叩いてそれで満足している人は、ならどうすればJリーグのレベルが上がり、ひいては日本代表が強くなるのかの具体的な案と、そのメリットデメリットをあげて欲しいと思うばかりです。