前回、購入時にちょっとだけ感想を書いたこの本ですが、ようやく半ばまで読み進めたので、途中までの感想を。
この巻では江戸時代の「鎖国」「浪人対策」「茶の油の変質」「演芸の変質」「日本での儒教の変容」「徳川政権の政策変換」といったテーマを扱っているのですが、まあ、視点として面白いものがあるものの、同時に門外のくせに下手な例えを出して失敗しているのも相変わらずです。
特に、演芸の変質の話の序段において、従来型のテレビは生き残れないと話をするまではまあよかったのですが、「機械音痴でも使えるインターネット特化端末を家電メーカーはなぜ出さないのか」とか「自分がIT企業の経営者ならスポーツというコンテンツを取り入れたい」といった、正直、もう時代遅れで過去に多くの失敗例が出ていることを、自分がすばらしいことを思いついたように書いているのは、読んでて悲しくなります^^;
ご存じのとおり、「インターネット特化端末」は過去にいくつか発売されたものの、端末価格や回線の問題などのからほとんど普及することなく(ゲーム機とのハイブリッドでも今のところ限定的な機能・・・動画・音楽配信などに限られて一部に残るだけです)、逆に、手軽にインターネットを扱えるものとしてケータイが既に普及しています。
また、「スポーツコンテンツ」に関して言えば、日本とは放送事情の違う欧米でケーブルテレビ局によるコンテンツの取り合いから放映権料が高騰し、その末に思ったほど視聴者を確保できなかったスポーツ専門チャンネルが経営破綻し、さらにその放映権料をアテにしていたスポーツクラブの多くが経営難に陥ったあたりのことも知らないんでしょうか。
特に、この本の中でも何度も「日本の常識は世界の非常識」と力説している割に、著者が世界の常識を理解していないテレビの例を挙げているあたり、何をやっているんだかというところです・・・